Carry on! 〜 boy's side 〜

 

6月18日------------
おー、ええ天気や。これはきっとおてんとサンも俺の誕生日を祝ってくれてんねんな。
そして俺のお姫さん、きっとお祝いしてくれるよな。
おっと、あんまりええ天気やから、のんびりしすぎたわ。
アカン、もうこんな時間や。ガッコ行かな。これやと完全遅刻や・・・しもた〜…
一時間目の担当が来る前になんとか教室にもぐりこんだけどHR欠席してもーた…。あちゃー


「おーい、姫条。カワイコちゃんがお呼びだぞー」
お姫さん来てくれたんか?振り返ると見知らぬ女の子。なんや?
「あの・・・先日はありがとうございました。おかげで助かりました・・・これ、たいしたものじゃないですけど お礼です。もらってください」
「えー…えと、何やったっけ…」
「先週の日曜、ナンパされかけたとき助けてくれましたよね。」
先週の日曜って・・・お姫さんとデートの日か・・・そういや待ってる時そんなことあったなー…
「あー、あの時の!そんなん気にせんでええのに。困ってるときはお互い様や」
「じゃ、私失礼します。ありがとうございましたっ!」
そのコは足早に立ち去っていった。
「おい、姫条、やっぱお前モテるよなー。」
冷やかすように言われる。そんな声はほっといて廊下を見直す。今のお姫さん見とったんちゃうやろな。
変な誤解されたらかなわんでー。
それから昼メシまでお姫さんは姿を見せんかった。
いつもと変わらん会話なんやけど、今日ゆうてほしい言葉が出てきてくれへん。
もしかして、忘れとるんやろか。。。まさかな、だって明後日はそのデートやで?!
でも自分から言うのも催促しとるみたいで、何やしな。。。

ガッコが終わって今日はバイトや。
誕生日にバイトなんてツイてへんけど、ボク勤労少年やし。
それにお姫さんも一緒やもんなー。
「いらっしゃいませー」
金曜の夕方は休みに備えて満タンにするお客さんも多いようでスタンド混むんや。
お姫さんも忙しそうやな、お客の合間に軽口も叩けんわ。

「姫条君、こないだはありがと。チビもすっごく喜んで毎日遊んでるわ。聞いたんだけど今日お誕生日だって?
これ、たいしたもんじゃないけどお礼も兼ねて、おめでとう」
「そんなん、ええですのにー。チビちゃんが持ってたほうがおもちゃ冥利につきますわー」
橋本さんから貰てしもた。あんなん、俺持っとっても余る品やったからあげたんやけど。
お姫さん、見てへんやろなー…何か今日はタイミングっちゅーもんが悪いわ

さて、仕事も終わりや。お姫さんと帰らな。
「姫条、今日誕生日だって?」
「おめでとうー!」
「ほら、お祝い。役に立つぜー」
う、これは・・・(将来のためにとっとこ)
「お疲れー」
「あ、どうもおおきに・・・いや、ありがとうございます。ほな、俺はこれで失礼しまーす」
げ、お姫さんもう帰ってもーたか。追いかけな!

「おーい!待ってーなー!」
お姫さんが振り向く。
「あー、もうお姫さんは足速いんやから。待っててくれてもええやん?一緒に帰ろ
「・・・だって・・・・・・」
やっぱなんかヘンやなー。 「今日はどないしたん?なんか自分ヘンやで?」
「そんなこと・・・ないよ・・・」
「ん?」
お姫さん、一瞬顔が歪み下を向く。・・・と、かばんの中を探る。
そして。
「はい、これ。遅くなっちゃったけど・・・おめでとう」

やっぱ俺の誕生日、忘れてへんかったんや。じゃあ、渡すタイミングつかめんかっただけか?
ガッツポーズをとる心の中の俺。
「いやー、お姫さん、なかなかくれへんから、どうしたんやろって思てたんやわ。
ガッコでもそんな素振り見せへんのやもん。内心気になって気になってなー」
「でも、なんかいろんな人からもらってたみたいじゃない。まどかってば。」
一瞬の沈黙。
げ、やっぱアレもさっきのも見とったんか。。。道理で・・・。
んでヤキモチ妬いてくれてたワケか。うんうん♪・・・って、誤解解かんと。
「あー、あれ、見とったんか」
「見とったんか、じゃないよぉ、そのせいですっかり一日ブルーだったんだから」
「橋本さんは、こないだ街で坊と一緒やったから、福引で当てたおもちゃあげたんや。俺が持っててもしゃーないし。 で、そのお礼やな。
ガッコでのあのコのは・・・名前もよう知らんしすっかり忘れとったんやけど、街でおかしなにーちゃんに絡まれとったの助けたんや。
それで・・・なんやて。ンなコト気にせんでえーのに。で、それが偶然俺の誕生日やったっちゅーワケや」
お姫さん、それを聞いて突然その場にへなへなとしゃがみこんでしまった。
「お姫さん、どないしたん?大丈夫かいな?」
「なんでもない・・・ちょっと力が抜けただけ・・・」
「それにな・・・お姫さんが祝ってくれんと、誕生日なんかなんぼのもんや。
お姫さんといる一瞬一瞬が、俺へのプレゼントなんやで。
おおきに。・・・これ、大事にするわ」
お姫さんの頭を軽く撫でる。そして両手を頬に持っていく。いいムードや!よっしゃ、このまま行け行け俺ー!

ぐーきゅるるるる・・・

へ?今の音、俺の腹の虫じゃないで。
もしかしてお姫さん?!
ほんまタイミングがいいっちゅーか悪いっちゅーか。。。でも、そこが可愛いんや

「確かに今日は忙しかったしな。実は俺もハラ減ってんねん。よっしゃ、なんか食べに行こ」
今はお預けっちゅーこっちゃ。まずは腹ごしらえが先やな。
「あ、じゃあ今日はあたしがおごっちゃう!だってお誕生日だもん!」
「その言葉忘れへんで〜〜。じゃあすごいのゴチになってまうで〜〜」
「ちょっと〜今のナシ!」
「もう遅いわ♪さーて、なに食べよ」

よかった、いつものお姫さんや。
あ、言い忘れとった。お姫さんにこそっと耳打ち。
「さっきの続き、腹ごしらえのあとな
「!!」
「ほな、行くで〜〜」

俺のお姫さん、来年も再来年もずーっとずーっとそばにおってな。
大好きやで・・・。

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苦手な甘々にチャレンジしてみたけど、やっぱりダメでしたわー。。。
そしてまた一粒で二度美味しい?両サイド書きやってるし(^^;ゞ
ドリー夢対応、やってみたかったりするんだけどタイムアップ〜〜
書き逃げだけど、まどか、Happy birthday!!
職場の先輩たちのプレゼント・・・もちろんアレですがな(笑)
そしてエセもエセな関西弁ですみません〜〜〜

2005.03.25 改訂(2004.06.15 up)
special thanks to Hサマv

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